結論
FTTHは「家の玄関まで」光を届けるもの、FTTRは「各部屋のコンセントまで」光を届けるものです。
これまでのWi-Fiルーター1台で頑張るスタイルから、家全体を光ファイバー網にするスタイルへの進化といえます。
理由
家の中の電波は、壁やドアなどの障害物で弱くなるからです。
FTTHではルーターから離れると速度が落ちますが、FTTRは各部屋まで「光」という物理的な道を作るため、場所による速度低下や遅延がほぼゼロになります。
具体例
1. 特殊な「分岐コネクタ」について
FTTRを実現するために、宅内には「光スプリッタ(分岐器)」という装置が設置されます。これは、外から来た1本の光信号を、劣化させずに複数の部屋へ枝分かれさせる心臓部です。
• 仕組み: 1つの入力を、リビング、寝室、書斎などへ2から4分岐させます。
• 見た目: 以前のような大きな装置ではなく、壁のコンセントボックスの中に収まるほど小型化されています。インテリアを邪魔しない設計が現在の主流です。
2. 利用者のメリット・デメリット
FTTH(従来の光回線)
• メリット:
工事が1箇所(リビングなど)だけで済むため、手軽で時間がかかりません。多くの通信会社から選べ、月額料金を安く抑えるプランや割引が豊富です。
• デメリット:
ルーターから遠い部屋ではWi-Fiが繋がりにくく、動画が止まることがあります。家族が同時に使うと、電波の取り合い(干渉)が起きやすくなります。
FTTR(部屋まで光回線)
• メリット:
どの部屋にいても、光回線の最大速度をフルに発揮できる「家中どこでも親機」の状態になります。オンラインゲームやWeb会議が、家じゅうどこでも途切れず、遅延も最小限です。
• デメリット:
各部屋に配線を通すため、大掛かりな工事が必要になる場合があります。まだ提供している事業者が少なく、契約できるエリアが限られています。
3. 気になる「料金」の違い
現状の市場動向では、FTTRの方が月額料金は高くなるのが一般的です。
• 月額料金: 従来のFTTHプランに、機器のレンタル代や専用のサポート費用として、月額1,500円から3,000円ほど上乗せされるイメージです。
• 初期費用: 各部屋への配線工事が必要なため、FTTHの標準工事費よりも数万円高くなることが予想されます。
今日やること3つ
1. 自宅の壁にある「配管(CD管)」の予備を確認する
(壁の中に光を通せる空きがあるかどうかが、FTTR導入のスムーズさを左右します)
2. 現状の「速度の不満」を書き出す
(特定の部屋だけ遅いならFTTRの価値がありますが、家全体が遅いならルーター自体の問題かもしれません)
3. 提供事業者の公式サイトをチェックする
(「FTTR サービス」で検索し、自分の住んでいる地域が対象エリアに入っているか確認しましょう)
注意点1つ
「光ファイバーの折り曲げは厳禁」です。
FTTRは細い光ファイバーを各部屋に引きますが、従来のLANケーブルよりも衝撃や鋭い折り曲げに弱いです。家具を動かす際などにケーブルを強く踏んだり挟んだりすると、断線して通信不能になるため注意してください。

